僕は、10年以上前から頚椎症性脊髄症でした。
手足にしびれがあり、細かな作業が難しくなる巧緻運動障害で、
突っ張った感じもあり、ぎこちない歩行(痙性歩行)でした。
横断歩道で信号が点滅しているとき、健常者なら走ってわたりますが、
私の場合は、手足が突っ張ってスムーズに動かず、走れません。
信号が点滅したら、見送りです。
悪くはならないものの良くもならず、転倒など何かのはずみで
さらに脊髄を損傷した場合、四肢麻痺の可能性もありました。
どこかのタイミングで手術を、と考えていたものの
ズルズルと時間が経過していきました。
2018年3月に頸椎椎弓形成術を受け、ツッパリ感はまだあるものの、
痙性歩行は大分ましになりました。
せっかく手術をして、脊髄の除圧ができたので、あとはリハビリで
回復していくだけです。
損傷した脊髄は回復しないと言われていますが、回復を信じています。
完全ではないとしても、ほかの神経でカバーしていい状態に
近づけていければと思っています。
せっかく手術したのだから、もう一度走りたい
術後8週ぐらいに、この本と出合いました。
入院中は、病棟をグルグル歩いてリハビリを開始していました。
退院してからは、ポールウォーキングを始めました。
ポールを持って歩くと、腕をよく振って歩けて、バランスがとりやすく
転倒を防止できました。
術後10週も過ぎると、痛みもほとんどなく、体に余裕が出てきました。
日常生活にウォーキング、ストレッチと軽い筋トレをプラスしました。
術後18週~ スロージョギング開始
7月28日の診察で運動制限がなくなりました。
医師に、「もう自由に動いていいです」と、許可がでて大喜びしました。
その日は時間がなかったので、29日からスロージョギングを開始しました。
スロージョギングといっても、歩いたり走ったりです。
10秒ぐらい走って、しばらく歩く、そんなペースで体を慣らしました。
左足がうまく動かず、つま先も膝も上がらず、すり足に近いような走りです。
道路にひっかけて転ばないように気を付けました。
その時の記録
その2日後
10分16秒/km
スロージョギング 練習の実際
焦らず、体を慣らしていきます。
走るときのリズムと歩くときのリズムが交互に切り替わり、
それに合わせて走ったり歩いたりします。
最初のうちは、足はぎこちない動きですが、これを聴きながら走っていると
体が温まり、徐々にペースがつかめて、スムーズに走れました。
この音楽があるのとないのとでは、軽快さがまったく違います。
リズムに乗って走ることがこんなに大切だとは知りませんでした。
最後まで聴くと約1時間のアルバムですが、自分の体と相談しながら
できるだけ長く動き続けられるようにしました。
8月~12月のジョギングの量
9月は水泳を中心にリハビリをしていました。
11月の練習量が少ないのは、左ふくらはぎが痛くなったためです。
麻痺が残っていて、右に比べて左が上がりにくいため無理なフォームに
なっていたからかもしれません。
いったんは回復しましたが、しばらくするとまた痛くなったりよくなったりを
繰り返すようになりました。
その対策として、根本的な解決にはなりませんが、
3種類のサポーターを購入しました。
▼ザムスト薄型サポーター
薄手で、サポート力はそれなり(弱め)です。
▼バンテリン
上のザムストより厚手で、締め付け具合が僕にはぴったりでした。
前の上側にあるバンテリンの文字が気になる人には気になると思います。
▼ザムスト左右兼用
これは片足分しか入っていません。
マジックテープになっていて自分で締め付け具合を調節できます。
10キロマラソン当日は、これを左ふくらはぎにつけて走りました。
10キロマラソン当日
術後1発目の大会に選んだのは、「上野の森ハーフマラソン」
動物園、寛永寺、西郷さんの像、博物館の横を走るコースで、
その年の大河ドラマが「西郷どん」だったのと、
「上野動物園内の一部区間は、歩いて通過してください」の注意事項が決め手となりました。
罪悪感なく歩ける区間があるという心強さ(笑)
10キロマラソンの制限時間は、1時間から1時間30分に設定されていることが多い中、
1時間35分という太っ腹な大会です。
スタートが7時35分とちょっと早いですが、それには目をつぶりエントリーしました。
上野駅には6時半ぐらいに着きました。
精養軒で着替えます。
荷物も預けられます。
スタート地点
速い人から順にスタートします。
僕は、最後尾からのスタートです。
自分のペースでゆっくり走りました。
最後尾の最後尾でしたが、
初めてみる建物があったり飽きることなく走れました。
上野公園に来たことはあっても、ゆっくり見たことがなかったので、
新たな発見があって楽しかったです。
無事完走。
1時間17分13秒でした。
7分51秒/km
リハビリの成果が感じられた大会でした。
まとめ
50を過ぎて衰えを感じることはあっても、成長を感じることはなくなってましたが、
リハビリ(ジョギング)は進歩を実感できる数少ない機会となっています。
これからもケガないよう注意しながら、楽しんで続けていきたいです。
早く終わったので動物園に行ったり観光してから帰りました。
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